平田オリザさんによるコミュニケーション教育の授業が行われました!
12月13日に小学6年生を対象に、平田オリザさんによるコミュニケーション教育の授業が行われました。今年度小学6年生のコミュニケーション教育の授業は、1学期に続き、2回目です。
今回、小学6年生が取り組むのは「演劇創作」です。まず、平田さんから台本が配られます。
ストーリーは、朝の学校の教室で子どもたちがワイワイと騒いでいると、先生が転校生を連れてやってくる。転校生の自己紹介と、生徒から転校生へのいくつかの質問。先生は「職員室に戻る」と言って帰ってしまい、生徒と転校生だけが残って会話が続く……、というもの。
グループに分かれてこの台本に取り組んでいきます。配役を決めて、台詞を変更して、読み合わせをして、発表です。
グループワークに入る前に、平田さんから注意点がありました。
「今日は普段の授業と違って、ウソをついてもいい授業です。だけど、ウソっていろいろと適当に言っていると矛盾が出てきてすぐにばれます。今日は最後までうまくウソをついた人が褒められます」。
台本の台詞を変えてもいいけど、適当に変えてしまうと台本の整合性がとれなくなってしまいます。どこをどこまで変えるかが問われてきます。皆さん、これからのグループワークに興味津々です。
ワイワイと盛り上がってグループワークに取り組んでいます。
中間発表。
発表が始まると皆さん静まり返ります。クラスメイトが別人を演じている姿が新鮮のようです。
どの班もシチュエーションは同じですが、転校生がどこからやってきたか、転校生の特技は何か、といった細かいところが違います。
ある班は、奈義からやってきた転校生が登場しました。つまり、舞台を奈義ではなく別の場所にして、奈義から転校生がやってきた、という設定にしたのです。生徒たちは転校生に「奈義ってどんなところ?」と質問します。
発表の後には、平田さんから講評。
転校生を奈義からやってきた設定にした班は、奈義からやってきたことにしたことによって、奈義の情報をよく知っていることで、転校生と生徒の会話のやりとりがうまく書けていた、と高評価をもらいました。
ただ、うまくいかなかった班もいくつかありました。平田さんから「どこがうまくいかなかったかわかる?」と言われたら、「練習不足」「配役に時間を取りすぎた」などそれぞれ反省点を語っていました。
中間発表後、新たな台本が配られました。
設定はさきほどと同じなのですが、大部分の台詞が空欄になっており、自由に台詞を書きこめるようになっています。さきほどは台詞を読み演じる楽しさを味わえましたが、次は台詞を自由に書く楽しさが味わえそうです。
グループワークが始まると、教室内の空気が先ほどと変わっていることに気づきました。先ほどは途中で集中力が切れて友達と会話を始めたり、一人で突っ伏してしまったりする生徒が何人かいたのですが、どの班も台本を書く作業に夢中で取り組んでいます。。
おそらく中間発表でクラスメイトの演技を観て、「自分ももっとうまくできたのに!」と悔しい思いがあったのでしょう。もしくは演じて人を楽しませる喜びを知ってしまったのかもしれません。
最後の発表では、動物園から転校してきた猿なのか人間なのか分らかない生徒や、クッパ王国に転校してきたマリオなど、どの班も個性的な作品に仕上がっていました。
こういった演劇創作を通じて、普段のしゃべり言葉の多様性や、タイムキープを意識することの大切さなどに気づけたのではないでしょうか。また、普段よく知っているクラスメイトとああでもないこうでもないと作品作りをすることで、実は一人一人考えが異なり、異なる考えをすり合わせることの大変さや楽しさを感じることができたのではないでしょうか。
小学6年生は今年度2回目のコミュニケーション教育の授業でしたが、平田さんより「生徒たちは前学期から成長している」とお褒めの言葉をいただきました。
コミュニケーション教育の授業、次は3学期です。小学6年生の成長が楽しみです!
(菅原)