奈義中学校の先生方を対象にしたコミュニケーション教育の研修会が行われました

1213日(水)、奈義中学校の先生方を対象とした研修会が奈義町文化センターで行われました。演劇的手法を用いたコミュニケーション教育の授業を、3年後には奈義中学校(奈義小学校でもですが)の先生方が主体となって行うことへ向けてのものです。

研修講師として、林成彦さん(特定非営利活動法人PAVLIC理事)にワークショップを、平田オリザさんに講演をしていただきました。

昨年度から演劇的手法を用いたコミュニケーション教育の授業が奈義小・中学校で始まり、今年度は学期に一回、小4、小6、中1生に対しての授業が行われています。授業が行われている際には、他の学年は授業をしているので、校内の先生方がコミュニケーション教育の授業をライブで見学するのはかなり難しいのが実際です。授業を行った放課後に、当日おこなった授業の録画を見ながら振り返りの全体研修会を行っていますが、授業のイメージを共有し、リアリティ感を高めるため、今年度は中学校の先生方に研修を受けてもらうことになりました。

林さんは教員免許の更新講習等でもワークショップをされていることもあってか、奈義中学校の先生方が演劇的手法を用いたコミュニケーション教育の授業の意義を理解し、日常の教育活動への活用や展開が進めていくことが可能になる研修を、というリクエストに存分に応えてくださいました。林さんが講師で奈義中学校の先生方が生徒役となってワークが行われていくなかで、ワークを1種類行う最中やその区切りがついたタイミングで、ワークの目的や手法、生徒の反応の見方や判断や評価をどのように林さん自身はなさっているのか、といったことを丁寧に解説していく、という進め方でワークショップが行われました。学校現場で教員にとっての子どもの見方として、とても理解が深まったり、新たな見地を得たりすることができた研修で、先生方からは、日常の教育活動への展開がとてもわかりやすかったとの感想がありました。

平田さんは午前から小学校で3コマ授業をしていただいたのちに合流してくださり、ワークショップを観察されたあとに、講話をいただきました。今後の教育の展開や在り方、お勤めになっている大学での入試改革へむけての検討内容から考えると、演劇的手法を用いたコミュニケーション教育というものは決して特別なものでなく、基本的かつ根本的なものとなる。奈義中学校に勤務して、町主導でこういう手法を体験したり、研修を受けたりするのは、今後の教員人生にとってたいへんラッキーなことなので、しっかりと体験し学んでほしい、といったお話もいただきました。

外は雪が舞う寒い日でしたが、林さんの理論と実践を伴った誠実で楽しいワークショップと、世界と日本の潮流を理解している平田さんの講話と、奈義中学校の先生方の積極的な姿勢で、クオリティの高い充実の研修会となりました。

(黒瀬)