きらりと光る、奈義の植物たち ②真冬の紅葉
みんなの庭造園チーム・佐々木です。
1月21日(日)に「みんなの庭」の活用の仕方について意見交換をするワークショップでお邪魔しました。東京よりずっと寒いので、「寒い寒い」と言っていたら、参加者の方に「今年はこれでぬくいんじゃ。雪がなかろうが〜」と笑われてしまいました… ワークショップの様子はまたレポートしますが、終了後に、王将跡の様子を見がてら役場の周りをぶらぶらしました!
まずは、王将跡地にできつつある建物の外観です。まだ覆われていて全容が見えませんが、外観はもうできてきたようです。もちろん、完成にはもうちょっとかかります。楽しみですね! お散歩がてら見にいらしてみてはいかがでしょうか。ともあれ、いろんな角度から建物を眺めてスケール感などを確認しました。
雪こそありませんが、霜柱のあとがあったりして、田んぼも畑も(もちろん那岐山も)すっかり冬景色。こんな時期にぶらぶらしてもなんもないじゃろうと思うかもしれません(だんだん言葉うつってきます)が、意外や意外、色とりどりのカラフルな植物たちを観察することができます。
たとえば、このびっくりするほど鮮やかな赤は「スイバ」というタデ科の植物です。田んぼの畔なんかによく生えています。「酸い葉」が語源で、昔は酸っぱい味から子供たちがおやつがわりにしゃぶったそうです。ちなみに、フランス料理では「オゼイユ」という立派な食材です。道端で摘めるフレンチ食材なのです。
それにしても、どうしてこんなに赤いのでしょう?? まるで紅葉ですね。じつはこれ、モミジの紅葉と似たような仕組みなのです。冬、気温が下がり、植物は光合成をする回路があまり回らなくなります。けれども、光は浴び続けるわけで、ほんとうはブドウ糖を生産するのに使われるはずの酸素が「活性酸素」になりあぶれてしまいます。活性酸素は人間でも発生し、細胞の老化を早めてしまう怖い存在です。冬でも葉をつけたままの植物はこの活性酸素を吸収するために、冬場細胞の中に「アントシアン」という赤や青系の色素を作って、緑からさまざまな色に変化することができます。なかでもスイバは赤が強く、モミジにもひけをとりません。
色は寒さへの晒され方や、植物の種類によっても違います。
例えば、タンポポのような花が咲くオオジシバリは、紫色のような薄めの紫。
外来種ながらすっかり春の風物詩になったオオイヌノフグリはちょっと黒っぽい紫。春というか、すでに咲いていますね! わりと気が早いたちです。
さらに、常緑のつる植物・テイカカズラは艶やかな黒に近い紫。葉のふちがちょっと赤紫でとてもきれい。
いかがですか? 冬は寒いですが、寒さのおかげで植物たちはこんなにカラフルに変身します。お散歩のついでにお気に入りの色をぜひ探してみてください。
最後に、同じ寒さに耐えるのでも毛をふさふさと生やしたミツマタのつぼみです。咲くのはまだまださきですが、つぼみはなんだか動物の手みたいでかわいらしいですね。それではまたお邪魔します!
(造園家・佐々木知幸)