お互いの個性を認め合い、表現を共に楽しむ「ぽっかぽか演劇ラボ」
4月8日に「みんなのおうち ぽっかぽか」にてぽっかぽか演劇ラボを開催しました。
いつもは小学生から20歳以上までさまざまな世代が集まるのですが、今回は中学1年生~高校生、しかも男の子が多く集まってくれました。
毎回、演劇ワークショップのプログラムの準備をしているようでしていないのですが、集まったメンバーに「今日は身体を使った遊びがいい? 頭を使った遊び? それとも物語を使った遊び?」と尋ねると、携帯ゲームに夢中な男の子が「頭脳系」と答えてくれました。
いろいろと道具を準備していたのですが、今回はあまり身体を動かしたくないメンバーが集まってしまったようなので、紙とペンだけ用意すればできる遊びをすることに。
「それでは、これからぼくがお題を出すので、それぞれ思い浮かんだものを5つ紙に書いてください。例えば、丸いもの。ボール、地球、卵・・・。いろいろ思い浮かびますよね。
ただ、このゲームには大事なルールがあります。人とおなじものを書いたら得点になります。だから、丸いものでも、みんなが思い浮かべそうなものを5つ書いてください。
では、最初のお題は『黄色いもの』」
メンバーは一瞬宙を見つめてから、黙々と紙に書いていきます。
3分経って、答え合わせの時間です。
「レモン」と一人が答えると、「おれもー」と手が挙がり、その人数が得点となります。
レモンは5点、バナナは8点、たんぽぽは4点、卵焼きは3点、菜の花は2点。パイナップルを書いた人もいましたが、残念ながら他に書いた人はいなくて0点。
次のゲームは少しルールを変えます。
「さっきは、人と同じものを書くと得点が入りましたが、次は人と同じものを書いたら0点です。お題を聞いて、人が書かないものを考えて、1つだけ書いてください。お題は『緑のもの』」
今度は、答えは一つしか書かないのですが、さっきよりもメンバーの宙を見つめる時間が長いです。
三分経って、答え合わせ。
「あおむし」「アボカド」「つぶガム」「ほうれんそう」
みなさん、いい感じです。だれもかぶりません。
小学6年生の男の子の順番になると、元気よく「ガイザーケルベウス」と答えました。
「ガイザーケルベウス」
周りにいた大人はきょとんとしてしまいました。
どうやらベイブレード、コマのおもちゃの何かのようですが、スマホで検索すると確かに緑でした。周囲から「おー」という歓声が起こりました。
こうやって、みんなと同じものを思い浮かべるゲームと、みんなと異なるものを思い浮かべるゲームを続けてやってみると、それぞれ頭の使い方が異なって、また楽しみ方の違いも見えてきます。
みんなと異なるものを思い浮かべるゲームで、マニアックなものを答える男の子たちの堂々とした表情が印象的でした。ぽっかぽか演劇ラボではこういったゲームを通じて、お互いの個性を認め合い、表現することを共に楽しんでいければと思います。
この日はもう一つ紙とペンを使って遊べるゲームをして、みんなで頭をフル回転させたり柔らかくさせたりしました。
今年度もぽっかぽか演劇ラボ、みんなでワイワイ楽しい実験を繰り返したいと思います。
(菅原)