奈義町の一味違う地域包括ケアを体験 「奈義で地域とつながるセミナー」開催!

8月29日・30日に、地域包括ケアシステムに関心のある学生・社会人を対象にした一泊二日のセミナー「奈義で地域とつながるセミナー」を開催しました。
地域包括ケアシステムの現場で活躍する講師陣によるセミナー、ちょいワルじいさんによるミニイベント「ちょいワルな同窓会」など、参加者の皆さんに奈義町の一味違う地域包括ケアシステムを体験していただきました。
当日は、医療・介護・福祉を学ぶ学生、助産師、コミュニティナース、地域おこし協力隊、ダンサー、俳優など、多様な方々が参加して下さいました。
「地域包括ケアシステム」がテーマのセミナーにこのような多様な方々が集まってくださったのも、医療・介護・福祉と文化を軸にした健康や老いへの画期的な取り組みを行っている奈義町だからこそ、なのかもしれません。

まずは奈義町生活支援コーディネーターの植月尚子さんによるレクチャー。
植月さんは「これまで奈義町で37年間保健師として働いてきた中で、生きがいや人生の目標を持つ“人間的健康”を大切にしてきた」と語られました。

続いては、奈義ファミリークリニックの松下明先生によるレクチャー。
松下先生は、患者の背後に広がる家族の姿を想像しながら診察するアプローチを語られ、「臓器から地域まで診る」家庭医療の魅力を教えてくださいました。

後半、松下先生による診察のロールプレイがありました。
高齢男性(糖尿病患者)役をわたし(菅原)が演じたのですが、松下先生の神対応に、「もう死んでもいい」という頑な気持ちが和らぎ、「うまく病気と付き合っていこう」という気持ちに変わりました。あまりにも素晴らしい体験だったので、その後も、晴れ晴れとした高齢男性の役が抜けきれませんでした(笑)。

初日のレクチャーでは、奈義町の地域包括ケアシステムを支えて来られたお二人から、それぞれの専門領域を超え、地域全体を元気にする“秘訣”を学ぶことができたのではないでしょうか。
アンケートでは「奈義町を想う気持ちの強い方々が地域医療をしっかりと支えていることが伝わってきました」「奈義町は“元気で明るいまち”と伺っていましたが、その理由がわかりました」などの感想を頂きました。

初日の夜は、仕出し・宴会さわさんにて親睦会。
奈義ファミリークリニック、奈義町地域包括支援センターの皆さんも参加され、職種を越えて様々な人々が交流でき、とても盛り上がりました。参加者の皆さんの自己紹介を聞いていると、皆さん、それぞれの分野のレクチャーができるくらいのスペシャリストであることに驚かされます。

二日目は、菅原による「老いと演劇のワークショップ」から始まります。
奈義町内でも実施されている、演劇体験を通じて認知症の人との関わり方を考えるワークショップです。舞台芸術関係者も多く、とても盛り上がりました。

ワークショップ後は奈義町現代美術館の鑑賞。
参加者の皆さんは、ここでしか体験できない現代アートの作品を鑑賞し、とても興奮されていました。
昼食は、ちょいワルじいさんとランチ。12時になると奈義町文化センターに続々とちょいワルの皆さんが集まってきます。さすがちょいワルの皆さん、どのテーブルも、参加者の皆さんを飽きさせないちょいワルトークが炸裂しています。

そして、セミナーのフィナーレは、ちょいワルじいさんミニイベント「ちょいワルな同窓会~奈義の昭和の写真をみて語り合おう~」です。セミナー参加者の皆さんには、このイベントのお手伝いをしていただきました。

会場には奈義町内から50名以上の方々が集まってくださいました。奈義町の昔の写真をスクリーンに流していき、高齢の方々に解説をしていただきます。昔の役場や、奈義町にあった映画館「豊沢劇場」、昭和38年の豪雨災害など。一枚の写真がスクリーンに映し出されると、「あぁ、懐かしい」「あったなぁ」と会場内のあちこちで思い出話に花が咲きます。
写真と記憶でしか残っていない奈義町の過去を多くの人が語り合う、楽しい一時を過ごすことができました。参加者の皆さんからは「みなさんの活き活きとした表情が忘れられない」などの感想をいただきました。

この二日間、奈義町で始まっている、医療・介護・福祉と文化を軸にした健康や老いへの画期的な取り組みを、参加者の皆さんに体験していただきました。今回のセミナーでの学びをそれぞれの地域に持ち帰って、魅力的なまちづくりに繋げていただければと思います。参加者の皆さん、ありがとうございました!

(菅原)