キモチとキモチが通じあう 「ぽっかぽか演劇ラボ」

2月3日に「みんなのおうち ぽっかぽか」にて、ぽっかぽか演劇ラボを開催しました。
障がいがあるとかないとかじゃなく、いろんな人が混ざって何かが生まれる、そんな場所「ぽっかぽか」で、月に1回、台本を使った寸劇づくりや体を使った遊びなど、さまざまなプログラムが行われています。
この日は中学生から20代までのぽっかぽかメンバーに、お母さんやボランティアスタッフさん、あわせて15名が集まってくれました。

初めて参加するスタッフさんがいたため、まずは自己紹介から。
「呼んでほしい名前と、好きな動物をひとつ教えてください」ということで、、、
あれれ?子どもたちは自分の名前はそっちのけで、好きな動物のことをたくさん話してくれました。イヌやネコなど家で飼っている大好きなペットを紹介してくれる子もいましたが、男の子はほとんど「ユニコーン」や「ペガサス」、「河童」などファンタジーや神話の中で生きるめずらしい動物を教えてくれました!

あれこれワークショップの準備をしていたのですが、高校生の男の子が「まず、スパイやるぞ!」と前回やった【スパイ探し】ゲームをリクエストしてくれました。楽しかったんですね。覚えていてくれて嬉しかったです。
ほかのメンバーも「いいね、いいね」ということで、まずはウォーミングアップもかねて、【スパイ探し】をすることに。
このゲームの基本的なルールは円になってみんなが座り、参加者のなかに潜むスパイを、お互いに会話しながら探り当てるというものです。
誰がスパイか分かりませんから、会話だけでなく、ちょっとした仕草や細かい表情からも探り当てようとみんな集中して、盛り上がります。そして少しでも怪しい人がいると、鋭い質問をつぎつぎと投げかけ、スパイ本人もそうじゃない人もハラハラドキドキするゲームでした。

なかにはすぐスパイだとバレてしまう子もいます。でも制限時間最後までポーカーフェイスを崩さずに淡々と会話し続けた子もいて、お母さんは「あれ~!見事にだまされた~」ととっても嬉しそうでした。

次のゲームは【ジェスチャーしりとり】です。言葉を使わないしりとりですね。これもメンバーからのリクエストでした。
二つのチームにわかれて、しりとりを声に出さず、身振り手振りで表現します。1人が前に出て、お題を確認します。声を使わずに、体ぜんぶ使って、お題が何かをジェスチャーで表現します。他の人は、それが何を表しているかを当てます。

一回目はなぜか語尾がぜんぶ「り」のつく言葉になってしまい、最後まで続けることができませんでした。みんな悔しそうな表情でもう一度チャレンジしました!
二回目は「たこ」⇒「コップ」⇒「プリン」
ここで「ん」がつく言葉になってしまい、また失敗しそうになったのですが、スタッフがとっさに助け舟をだして、「ぷ」じゃなくて「ふ」でもいいよという新ルールができました。
「プリン」から「ふで(筆)」に変更して「ふで」⇒「でんわ」⇒
え?え?え?
ピョンピョンと女の子が縄跳びをするゼスチャーをしました。周りにいたおとなはキョトンとしてしましました。
「わなとび」ってなに?!「ぎゃははは!」メンバー全員大爆笑です。
となりの友だちは優しい人で、ジョッキでゴクゴク飲み干すジェスチャーを。
「でんわ」⇒「わなとび」⇒「ビール」⇒「ルーレット」あぶなかったけどなんとか続きました。
やればやるほどジェスチャーがどんどん上手くなり「とけい」⇒「いし」⇒「ししゅう」⇒「うし」⇒「しかく」⇒「くつ」⇒「つり」スムーズに答えが続き、みなさんいい感じです。
ジェスチャーが苦手な女の子はとなりの友だちの手を引っ張って、どこに行くのかと思うと、窓をガラガラっと開けて、外の地面の石を指さしました。これにはみんながビックリ仰天しました。私もいろんなところでジェスチャーしりとりを見たりやったりしてきましたが、こんなのはじめてでニンマリ。
みんな頭をフル回転させながら、ゲームを楽しんでいました。おとなも子どもも五感を刺激しあいながら、なんだか気持ちと気持ちが通じあう瞬間がありました。

ぽっかぽか演劇ラボではこういったゲームを通じて、これからもお互いの個性を認め合い、自然と受け入れながら、表現することを共に楽しんでいければと思います。またお母さんたちがリラックスして笑顔でいてくれることも、とても嬉しかったです。障がいがある人もない人も、おとなも子どもも、お母さんもお父さんも、みんなが楽しめるような機会をもっと作っていきたいです。

(申)