ぽっかぽかメンバー、戯曲を読む!
3月31日にぽっかぽか演劇ラボを開催しました。
まずはウォーミングアップとして身体を使った遊び。メンバーに「今日は何をしたい?」と投げかけると、「スパイゲーム」「ウインクで人を殺すやつ」「動物を当てるやつ」と返ってきます。リクエストに応えて、ウインクキラーと「わたしはだれ?」をやりました。
「わたしはだれ?」は、一人一人の背中に動物の名前が書かれた紙を貼り付け、自分が何の動物であるかを出会った人に質問して、当てるゲームです。
出会った人にはまず背中の紙を見せるので、その人が質問に応じてヒントを教えてくれます。例えば、「ネコ」と書かれた紙を背中に貼った人は、「私は大きな動物ですか?」「いえ、小さいです」というやりとりを通じて、自分が何の動物であるかを推測します。
前回の「わたしはだれ?」は、カテゴリーは「動物」で行ったのですが、今日はなんでもありにしました。「動物」「道具」「食べ物」「場所」等。
「コアラ」「山」「テレビ」「学校」など様々な名前が書かれた紙を、参加者の背中に貼っていきます。
「よーい、スタート」の号令で、全員歩き始めます。
自分が何であるかがわかった人はファシリテーターの元へ。答え合わせです。
「学校」の紙を貼っている人がやってきて、「わたしは、家、ですか?」と言います。惜しい! 「そちらの方向は間違っていないので、もう少し頑張ってください」
10分が過ぎると大半の人が正解して抜けていきます。最後に残ったのは「人間」の紙を貼った人でした。これが一番難しいんです。
ウォーミングアップが終わったら、本日のメインプログラム。
これまで即興で演技をしたり、グループで寸劇を作ったりしましたが、プロの劇作家が書いた戯曲を読む機会はありませんでした。
芝居づくりのプロセスは「台本執筆→台本の読み合わせ→セリフ覚え→立ち稽古→本番」と進んでいきます。これから芝居づくりをしていくためにも、まず一度、戯曲を声に出して読んでみよう。
今回は、五反田団を主宰される前田司郎さんの戯曲「生きているものはいないのか」をテキストにします。前田さんの戯曲は、セリフがとても面白いことと、ストーリーよりも登場人物の関係のおかしさに重きを置いたことが特徴です。
グループに分かれて、本読みをして、順番に発表します。
大爆笑の本読みとなりました。前田さんの面白いセリフがメンバーの個性と絡み合って、独特な世界観を作り出します。
人が書いたセリフをあたかも自分がいま喋っているかのように喋ることは、とても難しいことです。しかし、メンバーはそれぞれ、どんな声色で、どんな声の大きさだったらそのセリフが言えるか、自分の感覚を大切にしながらセリフを発しています。そこに独特のリアリティーが生まれるのです。
他人が書いたセリフを発すことで、それぞれが自分の個性と向き合い、自分ではないけど自分のような新しい役を生み出すことができます。メンバーも「こういうのは初めて。楽しかった!」と感想を語ってくれました。
本読みを通じて「ぽっかぽか演劇ラボには俳優の原石がたくさん」と確信しました。来年度は芝居作りに向けて動き出したいと思います。
(菅原)